過去ブログから残しておきたい文章を移行しています。哲学的なエントリー一覧はこちら。
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現在、我々の身の回りでは利便性、効率性の追求が留まることを知らない。
Cashless, Ticketless, Paperless…
iモードのおサイフケータイしかり、航空券・搭乗券なしでの搭乗サービスしかり、どんどん時間短縮され、資源が有効活用され、あらゆるものが無造作に省かれていく。
そんな時代の流れに乗っかるかのように、自分も職業柄、どんな作業においてもクリティカルパスを模索する。
満員電車に揺られながら中刷り広告をぼんやり眺めていようが、乗る乗車口は常に降りる駅の改札口に最も近いところだし、ディズニーランドでミッキーとミニーと一緒に戯れていようが、頭の中は、いかにしてファストパスを有効に利用し、リードタイム削減の恩恵を極限化するか、という命題でいっぱいになっている。
そして、僕は気付く。
Heartlessな自分が今ここにいることを。
あらゆるものを省略し過ぎて、とうとう自分の心までもDeleteしてしまった模様。
愛のない日々。
思いやりのない日々。
いつのまにか、学生の頃に絶対になりたくないと思っていた人間像に変わり果てている。
立ち止まって、深呼吸しようか。
道ばたに咲くたんぽぽがそよ風に揺れるのを、ただ立ち止まって、ボーっと眺めてみようか。
今の僕には、「立ち止まる」勇気が必要なのかもしれない。
(2004/08/26)