去年、AERAdot.で対談させて頂いた山本一郎さんから新著を献本頂きました。
この本がターゲットとする層は、僕が読んだ感じだと以下の通りです。
・部下から突き上げを喰らい、上司からダメ出しをされる中間管理職のおっさん
・子どもの育児と親の介護、両方に悩まされるおっさん
・セクハラだのパワハラだの常に迫害される立場にあるおっさん
女性だったり若者だったりが読んでもそこまで刺さらないんじゃないかと。逆に僕らロスジェネ世代のおっさんたちにとっては、ドストライクの書籍です。
昭和に生まれ、バブルが弾けた後の理不尽な平成の時代を生きてきた我々ロスジェネ世代は、変に凝り固まった価値観を往々にして持ってしまっているわけで、令和という未知なる新時代を生き抜いていくためには、その価値観の「ズレ」をしっかり軌道修正していかないといけませんよ、ってのがこの本の主旨です。
山本さんの達観した視座が随所にあらわれていて、シニカルな論調でおっさん世代の価値観のズレをばっさばっさと斬っていきます。他人事のように感じる時は実に爽快なんですが、「なんかこれ、自分のこと言われてるみたいだな…」と感じる時は鈍い痛みを感じますw
最後に衝撃だったのが、あとがきに書かれていたこの一節。
いまや、老父を施設に送り迎えする車椅子を押しながら、スマートフォンの音声入力やフリックでほとんど「文春オンライン」など連載記事の執筆をしています。
恐れ入りました。僕らおっさん世代にとって、スマホの音声入力という最先端の技術を日々の業務に取り入れる時の「敷居の高さ」は誰もが痛感しているとは思うんですが、山本さんはその壁を乗り越えて、親の介護と執筆業務をパラレル処理することで、両立している。
「昔は良かった」と過去にしがみつくのではなく、新しいモノをどんどん試して、急激な時代の変化にちゃんと適応していっている山本さんだからこそ書けた書籍なんだなと、このあとがきの一節を読んで感じた次第です。
ある意味、価値観のズレを直す云々よりも、この一節から学び取れるエキスの方がより重要なんじゃないかとw
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