JリーグのYoutube公式チャンネルが、10月13日、14日と立て続けにシーズン移行について徹底的に解説する長編動画を出してきました。
前編後編合わせて100分もあります。映画1本見れるレベルですが、秋春制に色々と意見言いたい人は必見です。
前編(63分)
後編(37分)
後編では特に「Jリーグが目指す将来像」が語られていて、僕が6月にYahoo!コラムで書いた「秋春制移行はあくまで手段。Jリーグはまずは将来像を示せ」と提言した内容に対するアンサーになっています(↓)。
鶏が先か卵が先か議論
今回の一連の議論を見ていて、一番のネックは降雪地の環境整備だなと感じます。
冬でも練習が可能な屋根付施設の建設は、Jリーグの理念にもある「豊かなスポーツ文化の振興」にも寄与するので、札幌在住の野々村チェアマンは何とかここを推し進めたいんだろうなと、動画の後編を見ていてひしひしと伝わってきました。
で、ここからが問題の本質なんですが、僕がコンサルの現場で向き合うことが多い「鶏卵論」になってきます。
鶏が先か卵が先か――。
つまり、環境整備が先か、制度変更が先か、という議論です。
シーズン移行を先に断行すると降雪地クラブに負荷が強まりますが、環境整備の必要性が一気に高まるので、屋根付施設の建設が自治体を巻き込んで加速するかもしれません。
環境整備を先にしようとしても、ここ何十年と降雪地域で屋根付きスポーツ施設が新設されていない現状を見る限り、変革は一向に進まないように感じます。
僕がコンサルの現場でよく使う手段は、制度変更をえいやでやって、環境整備の必要性を高めさせて、一気に改革を推し進めるやり方です。
なので、コンサルって現場の人に嫌われるんですよねw
野々村チェアマンも嫌われ役を買って出て、改革を断行しようとしているんだと思います(これはあくまで筆者の推測)。
下記のYahoo!コラムでも書きましたが、野々村氏は「とにかく変わらなければいけない」「現状維持は衰退と同じ」という主旨の発言を繰り返していて、「変化なくして成長なし」という考え方は、彼の行動哲学そのものと言えます。
あとは降雪地クラブへの救済措置がどれだけ手厚くなるのか。上記の動画内では、ウィンターブレイク中のキャンプ費用の実費まで紹介されていて、具体的な検討が進んでいる模様。
以下の記事では10月18日にJリーグとして、シーズン移行するか否かの意向を表明するそうです。
ここまでお金かけて議論してきて、「やっぱやらない」という路線には絶対ならない気がしますが、野々村さんの決意表明をしかと見届けたいと思います。
関連記事