確定申告の季節がやって参りました。フリーランスで働いている人にとっては、毎年苦労する時期ですよね。
個人事業主として今年で6回目の確定申告をする自分も、まだまだ納税関連の知識に自信がなく、ここ最近割と読書の時間が取れたので、確定申告に関する書籍を無駄に読み漁ってみました。
手に取ってみたのは、最近発売されたものだったり、ベストセラーだったりして、大型書店の確定申告コーナーでは大体平置きされている以下4冊の書籍です。
では、順にそれぞれの書評を書いていきます。お付き合いください。
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税務署員だけのヒミツの節税術 – あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 ¥777 2012/12/07出版 大村大次郎著
昨年12月に発売された新書です。アマゾンの書評でボロクソに言われてますが、この4冊の中で僕が最もお勧めする書籍です。
アマゾン書評が悪い理由は、12万部も売れた著者の前書、「あらゆる領収書は経費で落とせる」で触れた内容とかなりかぶっているから。
このベストセラーとなった前書は中小企業の経理部向けであり、その内容を昨今のノマドブームに乗っかって、個人事業主向けに書き直した書籍になります。僕は前書を読んでなかったので、「目から鱗」のネタばかりでした。
他の書籍よりも、かなりアグレッシブに踏み込んだ内容になっていて、「ぶっちゃけ、キャバクラで使ったお金を経費で落とせる」と豪語している書籍は、これ以外に見たことがありませんw
第5章「税務署に騙されるな!」という章では、元国税調査官という立場を活かして、僕らフリーランサーが知る由もない税務調査の裏話が赤裸々に書かれています。
そして何より、たった4ページの「あとがき」が秀逸すぎました。ある意味「不謹慎」とも評価されるこういう裏ワザ本を世に出した著者の動機が書かれているんですが、ちょっと感動してしまいました。まず最初にあとがきを立ち読みして、共感した人は是非買ってみてください。
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フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。 ¥1,470 2005/12/08出版 きたみりゅうじ著
8年前に出版されたロングセラー本です。アマゾン書評も既に50件以上ついていて、かなり好評な書籍です。
ライター兼イラストレーターの著者が、税理士から受ける講義の内容をトーク形式でまとめた本です。口語調で進んでいく文章を読みやすく感じるかどうかは個人差あると思いますが、どうでしょうか。
税金や社会保険のかなり初歩的な基礎知識から解説が始まるので、開業1~2年目のフリーランサーにお勧めの書籍かなと。(独立7年目の僕にとっては、結構知ってる内容が多かったです。。)
増刷時に最新の税制に合わせて改定されているので、出版時期は古くても内容的には特に違和感感じませんでした。
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フリーランスの教科書 ¥861 2012/12/26出版 見田村元宣、内海正人著
昨年末に出版された新書です。新書コーナーで、1番最初に紹介した税務署員だけのヒミツの節税術と並んで陳列されている本屋も多いと思います。
ぶっちゃけ、この書籍は二番煎じ感は否めません。
2つ目に紹介したロングセラー「フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。」と似た形で、フリーライターが専門家とのトーク形式で疑問点を解決していく内容です。
ただし、フリーライターの単価設定の考え方とか、業務委託契約書の存在意義など、他のノウハウ本には書かれてない独特の視点もいくつかあって、参考にはなりました。
フリーライター駆出しの身で、1,500円もする単行本なんてお金がもったいない!という人は、この新書でOKといった感じでしょうか。
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【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。 ¥1,575 2012/11/16出版 岩松正記著
ズバリ、個人事業主として独立して数年経って、もうそろそろ法人化しようかな?と考えている人向けの書籍です。
この書籍も質問者と税理士の会話形式で話が進んできますが、各ページで図表を多用してわかりやすい解説を心掛けている感があります。
また、来年の消費税増税に向けて、それまでにやっておくべきことが40ページにわたり、まとめられています。これも結構参考になりました。
僕はこの書籍を参考にして、近々「法人成り」に備えて準備を進める予定です。
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とまあ、ざざーっと4冊の書評を並べてみましたが、まとめると、
・フリーランサー何年目かに関係なく、節税対策をとことんやりたい人は1冊目の税務署員だけのヒミツの節税術
・フリーランス駆出しで、ゼロから確定申告周りを学びたい人は2冊目のフリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
・ライター駆出しでお金ない人は3冊目のフリーランスの教科書
・法人化を検討している個人事業主は4冊目の【新版】フリーランス、個人事業、副業サラリーマンのための 「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。
といった感じでしょうか。
大体どの本も、「専従者控除」や年金・社会保険周りの基本的な節税手段は、似たり寄ったりですが、やはり1冊目に紹介した税務署員だけのヒミツの節税術だけが群を抜いて、ぶっちゃけトークしてます。これが個人的にはお勧めです。
本屋の確定申告コーナーに行けば、エクセルマニュアルみたいなA4全面カラーの確定申告マニュアル本の類もたくさん並んでますが、今回のこのブログでは対象にしませんでした。結構そういうのって、各人が使用している確定申告ツールに依存したりするので。。
以上、確定申告関連書籍の一括書評、いかがでしたでしょうか?個人事業主皆さんの参考になれば幸いです。
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