【書評】ノマド化する時代

20130414_01自称ガチノマドを名乗る自分としては、この本は読まんといけんでしょということで、さくっと読ませて頂きました。

前職先輩の大石哲之氏が書き下ろしたノマド研究本です。

カジュアルなノマド論ではなく、結構学術的なテイストの本です。書籍カバーもその雰囲気に合わせた重厚感になっているのではないかと。(個人的には、同じコーナーに並んでそうなこの本のデザインと丸かぶりじゃん!と思っちゃいましたがw)

IMF危機で実質の国家破綻を経験した韓国の話や、いとも簡単に国籍を変えるスポーツ選手や実業家、単純業務がオフショア化されるビジネスモデルなど、様々な角度から実例を出して、「ノマド化する時代」を丁寧に、かつ論理的に説明しています。

やっぱりね、コンサルタントが書く文章って、「結論は○○である。なぜならば~」という論理構成が基本だから、すっと頭に入ってくるんですよ。かつ、「なぜならば~」に続く論拠がこの本では原則、ファクトベースだからとても説得力がある。思い込みベースで意見を述べてるそこらのエセノマドとは訳が違う。

加えて、世界中で活躍するノマドに対する取材量も豊富で、裏付けする材料に事欠かない。筆者が立てた仮説を、実在するノマド達へのインタビューをもってして、立証していく形。どこのコンサル手法ですかw

(そういえば、年末くらいに筆者から俺にもメールで取材依頼が来てたけど、結局その後連絡なし。候補には選ばれたけど、編集者との最終調整で落選したんかな。。)

ということで、ますますボーダレス化していくこの世界で、どうやって生き残っていくかというサバイバル方法に興味のある方は、是非手に取ってみてください!

ここからは、少々ネタバレになるので、読了してから読んでみてください。

ま、先輩ということで褒めちぎった書評を書かせて頂きましたが、ここからはひとつ苦言を書かせて頂きます。

この本では「全ての人がノマドを強いられる」というジャック・アタリの「極論」をベースに話が進んでいます。

そのノマドとは「ハイパーノマド」「バーチャルノマド」「下層ノマド」と3種類にカテゴライズされるわけですが、最も人口が多い中流階級がなるとされる「バーチャルノマド」とは、所詮定住民で、ネットを徘徊することで「バーチャルノマド」となる、とされています。

それって、全然ノマドじゃないじゃん!全ての人がノマドになるって嘘じゃん!と誰もが突っ込むと思うんですよ。

この矛盾に対して、筆者は143pでラストワンマイル・ジョブという形で補足説明しています。でも、ほんの2ページだけ。ここに僕は物足りなさを感じました。

上流と下層がノマドを強いられるのはわかった。とってもよく理解できた。でも、場所にとらわれる形で働かざるを得ない仕事を本業として、ぬくぬくとサラリーマン生活を母国で続けていく、圧倒的多数の中流階級の人達に対して、グサッと刺さるキラーコンテンツが足りないように感じました。

そもそも、ラストワンマイル・ジョブに携わる人たちをターゲット読者層としているわけではない、と編集の人に一蹴されるかもしれませんがw

苦言としてはこんなレベル感で。それ以外は、得てして良書です!(最後に無理やりフォローw)

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