【書評】通訳日記 ザックジャパン1397日の記録

ザッケローニ前監督の通訳だった矢野大輔著「通訳日記」(11月27日発売)を読了したので書評を書きます。

通訳日記

結論から言うと、ザックジャパンを4年間追い続けてきた日本代表サポーターは必読書籍です。

僕らサポーターにとっては「外部」からほぼ「結果」しか見れてなかった日本代表について、この通訳日記では「内部」からその結果に至った「過程」が生々しく描かれています。

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メインコンテンツは監督と選手が発した言葉の引用

書籍の内容はタイトル通り、通訳の矢野さんの日記です。しかも4年間!なが!サッカー日本代表にそれなりに思い入れのある人でないと、全部読み切るのは辛いと思います。悪く言うつもりはないんですが、だって中身は所詮ただの「日記」なんですもんw

日本代表の歩み自体が筋書のないドラマではあるんですが、8割方は小説のような「読ませる」技術などは駆使せずに、そのまんまのザックジャパンの日々が描写されています。結構戦術的な用語が解説なしで用いられているので、「オフサイドって何?」系の人には辛い本かと。

20141222_02戦術面の話は、ノートに実際に書かれていたタクティクス図も引用してもらえると嬉しかった。詳細に書けない部分は多々あったと思いますが。。

文章のメインは「ザッケローニの言葉」の引用です。それプラス、「選手たちの言葉」の引用。監督⇔選手のコミュニケ―ションの橋渡しが通訳の役目ですから当然の内容かと。

矢野さんの意志が入るというよりかは、監督⇔選手の言葉のキャッチボールをそのまま引用する文章がほぼ半分くらいでしょうか。そこにちょこちょこ、矢野さんのプライベートな話(子供が育っていく過程とか、今日何食ったとか、矢野さん自身が仲の良い選手との会話とか)が織り交ぜられています。

一番の読みどころはやはり2014ブラジルW杯

個人的な感想としては、ザック体制の序盤に、食事の場などで槙野と森脇が「お笑い担当」として何度も登場してるのが印象深かったです。やはり彼らみたいな「場の雰囲気を和ませる」役割を担える選手がブラジルワールドカップにも1人必要だったんではないでしょうか。あくまで個人的見解ですが。。

まあ、ザックジャパンを4年間追い続けてきた日本代表サポーターにとっては、その「選手と監督の言葉のキャッチボール」が克明と描かれているだけで垂涎もんです。特に戦術面での選手と監督との間で激論が交わされた2013年秋の「ミンスクの夜」の描写はアツい。とにかくアツい。僕はここでの議論の結果が違う方に落ちていたら、ワールドカップの結果は異なっていたかもと思っています。

それ以外にも年に数回行われる、各選手との1対1面談での会話はすごく気持ちがこもっていて、涙を誘います。ザッケローニが図抜けた人格者であることがわかります。

一番の読みどころは、何と言っても4年間の集大成である2014年のブラジルワールドカップの場面かと。23人枠に落選した選手への電話内容、初戦コートジボワール戦を前にした、何とも言えない張り詰めた緊張感、ザックジャパン最後の試合となるコロンビア戦におけるハーフタイムのロッカールームの情景、全て矢野さんだからこそ描けた部分かと。

ブラジル現地に参戦して、不幸のどん底をスタジアムで一緒に体感したサポーターは、この最後の章読まないと今年1年が浮かばれません。

個人的な思い出は2011アジア杯

ここからは、個人的なザックジャパンの思い出を振り返ります。

inter062011年1月のカタールアジアカップでは、優勝後にザッケローニにサインをもらいました。
inter07このツーショット写真は一生の宝物です。

矢野大輔2012年ロンドン五輪のなでしこの会場で矢野さんを見かけたので記念撮影しました。

ザックジャパンの戦績は56戦31勝12分13敗でしたが、僕はそのちょうど半分、28試合を現地参戦しました。やっぱり一番嬉しかったのは、2011年アジアカップ優勝ですかね。当時のブログはこちら。僕の日本代表サポーター人生で「初タイトル」に立ち会った大会ですから。

ということで、通訳日記をまだ買ってない日本代表サポーターは、年末年始のまとまった休みに是非ご一読ください!12月上旬はどこの店舗も在庫過少状態でしたが、重版したようで今は在庫切れの心配はなさそうです。

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