バルバリッチに告ぐ 「都倉賢とナザリトの共存」への挑戦はもうやめようではないか

J2リーグ首位のジュビロ磐田に3-0で勝った翌週に、J2リーグ21位のロアッソ熊本に2-3で負けるコンサドーレ札幌。”This is football.”って奴ですね。

コンサドーレ札幌対ロアッソ熊本キックオフ時の写真。

簡単に試合展開を説明します。試合見た人は飛ばしていいです。

———–<試合展開説明ここから>———–

札幌のスタメンの攻撃的ポジション3枚は、累積警告で出場停止となって以降、ずっと控えに回っていたナザリトが6試合振りにワントップスタメンに復帰。都倉と中原が2シャドーという形でした。

試合は前半2分、熊本の縦ポンルーズボールに、なぜか札幌3バック左の福森が右サイドで対応することになり、熊本FW斉藤和樹に走り負けて独走を許し、切り返しにもあっさり引っ掛かり、GKク ソンユンも股抜けを喰らって、早々に失点。

その後も前半27分に、札幌左サイドのシャドー中原が相手サイドバックに寄せ切れず、アーリークロスをドンピシャでFW斉藤がダイビングヘッドで合わせ、熊本が追加点。

前半は札幌の攻撃においてはほぼ見せ場なし。

後半に入って頭から札幌は中原に替えて内村を投入するも、後半10分に熊本のFW巻誠一郎がヘッドで、半ばGKクがキャッチしているのを押し切るようなゴール。これでスコアは0-3。

後半17分にシュート0本のナザリトを諦めて古田寛幸を投入し、シャドーのポジションに入れて、都倉をワントップに上げました。後半29分には連戦で疲労がたまっていたのか、精彩を欠いたウイングバック荒野に替えてイルファンを投入。シャドーにいた古田をウイングバックに下げて、イルファンはシャドーのポジションへ。

その後面白いようにパスが繋がるようになり、都倉賢の2得点で2-3まで追い上げ、相手DFの退場などもあって押せ押せムードになるも、後1点及ばず2-3で終了のホイッスル。札幌は8試合ぶりの負けとなりました。

———–<試合展開説明ここまで>———–

ドーレくんとくまモンハーフタイムにピッチに出てきたドーレくんとくまモン

札幌はこれで13試合のうち、ナザリトがワントップスタメンだった8試合は2勝3分け3敗の勝率25%。都倉賢がワントップスタメンだった5試合は3勝2分け0敗の勝率60%。明確な違いが出てます。

開幕前から掲げていた「ナザリトと都倉賢の共存」という課題への挑戦は、もうやめた方がいいと本気で思います。更に言うと、今日の熊本戦の後半頭でまた発動させたナザリト、都倉、内村とフィニッシャー3枚を芸もなく前に並べるのも、勘弁してほしいです。「ウイイレじゃねーんだから」と誰かが言ってました。

ナザリトは開幕節の栃木戦だけは裏への動き出しを積極的にやってて、「ナザリトいってこいシステム」が機能してましたが、ここ最近はひたすら足元でパスを受けることにこだわっています。オフザボールの動きに全く工夫のないナザリトがワントップにいることで攻撃の流動性がなく、2シャドーがすごく窮屈にしている感じがします。守備面でも最終ラインへのプレッシャーにほぼ貢献しないため、前の3人での連動したプレスは全くと言っていいほど機能しません。

それに対して都倉賢がワントップに入ると、ポストプレーは面白いように収まり、裏への抜け出しも積極的で、シャドーとの連携も一気に高まります。守備面でも2シャドーと連動して最終ラインにプレッシャーをかけられるため、ショートカウンターに繋がるハードプレスができます。

もうサッカーの素人が見てても、ナザリトがワントップに構えている時に、都倉賢が窮屈にプレーしてるのが手に取るようにわかります。今日の熊本戦、ナザリトが途中交替でいなくなり、自分がワントップに入った途端に、水を得た魚のように2ゴールを叩き込んだ都倉賢は、これで今季通算6ゴールとなり、ナザリトの5ゴールを抜き、数字の上でも都倉賢が札幌の絶対的エースというポジションを奪取したように思います。

都倉賢のワントップに変えてから快進撃が続いていたのに、無駄に戦術をディグレードさせて、その勢いを止めてしまったバルバリッチ監督の過失は大きいですが、この敗戦を糧にするためにも、「ナザリトいってこいシステム」は試合終盤のパワープレー用に封印してほしいです。

今日の負けで札幌は8位。まだまだシーズンはこれからなので、バルバリッチには柔軟な「修正力」に期待します。次の僕の現地参戦は6月1日C大阪戦です。

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村上アシシのプロフィールはこちら。(先日更新しました)



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