現在カタールで開催されているアジアカップで、サッカー日本代表が快進撃を続けています。初戦から6連勝して、遂にファイナルまで勝ち上がって参りました。
ただ、ちょっと気になるのがこれだけの躍進を遂げているのに、日本国内での盛り上がりをあまり体感できていないこと。
サッカークラスタ内では盛り上がってますが、その枠を超えてどっかーんと来ているかというと、ツイッターのRT数などを見ても、そこまでのパワーは感じません。
長友など選手本人がキックオフ時間をツイッターで告知しているのも、人気低下を危惧する代理店から依頼されてのことでしょう。
そこで、人気を定量的に表す指標であるビデオリサーチ社提供の「関東地区の平均視聴率」を用いて、8年前のザックジャパン時代のアジアカップと比較してみます。
2011年のカタール大会では、グループステージの視聴率が10%台からスタートし、勝ち進むにつれて徐々に視聴率を上げてきて、セミファイナル&ファイナルの大一番で、30%台の大台に乗せてきました。
それに対して今回のUAE大会では、グループステージの10%スタートは8年前と変わりませんが、決勝トーナメント以降で右肩上がりの曲線を描けず、今大会のベストゲームと言える準決勝(対イランに3-0勝利)でも10%台に留まりました。
準決勝の視聴率を単純に比較してみても、8年前より56%も減少しています。
視聴率が低迷している理由は何なのか?僕なりに仮説を立ててみました。
試合展開
ザックジャパンのアジアカップは毎試合、劇的な試合展開でした。
誤審によるGK川島退場という逆境を跳ねのけての勝利、岡崎慎司のハットトリック、DF吉田麻也の退場からの香川真司2得点による見事な逆転勝ち、日韓戦の延長PK戦にまで及ぶ熱闘など、とにかく話題がてんこ盛りでした。
それに対して今大会は、いわゆる「塩試合」が多く、サッカークラスタ以外に広くリーチするようなホットトピックを提供できませんでした。
スター不在
2011年のザックジャパンは、その後7年間も日本代表の屋台骨を支えることになる本田、香川、岡崎が活躍し、知名度の高い選手が躍動しました。
それに対して今大会は、開幕前にテレ朝が「新BIG3」と銘打って、2列目の3選手(中島、南野、堂安)を新しいスターに押し上げようと試みましたが、開幕前にそのうちのひとり中島が負傷離脱し、そのキャッチコピーが使えなくなったのが大きいかなと。
更に、23人の中では最も知名度の高い不動のCF大迫が初戦で怪我をして、第2戦から準々決勝までスタメンで出られなかったのも痛手でした。
対戦国の話題性
2011年は決勝トーナメント以降、ホスト国のカタール(大アウェイの雰囲気)、永遠のライバル韓国、ラスボス感たっぷりの豪州と、対戦国の話題性には事欠きませんでした。特に準決勝の大一番で日韓戦が実現したのは、サッカークラスタ以外を引き寄せる「起爆剤」として、大きく貢献したなと。
それに対して今大会は、ストーリー性を打ち出せる対戦国が乏しかったと言えます。ファイナルの対戦相手に、元日本代表監督であるザッケローニ率いるホスト国のUAEが勝ち上がってきてくれれば、小説のようなストーリーを描けたはずでしたが、それも実現せず。。
ちなみに2015年の豪州アジアカップの視聴率は以下の通り。
キックオフ時間がゴールデンタイムにかぶっているわりに、そこまで数字は伸びませんでしたが、グループステージを10%台でスタートして、決勝トーナメントで20%台に上げてくる傾向は2011年とさほど変わらずでした。ただ、準々決勝で敗退してしまったので、その後の視聴率は取れず仕舞い。
仮説の検証は面倒なので省略w
上記に挙げた人気低迷の3つの仮説は、そこまで外していないと思います。
個人的には「昨年のハリルホジッチ解任によるJFA不信」も人気低迷の要因に入れようかと思ったんですが、さすがにそれは無理があるかなと思い、外しました。
本来であればこれらの仮説を電通社員だったり、JFA社員だったりにぶつけて、証言を得て仮説検証をしたいところですが、面倒なので省略しますw
決勝戦は日本時間2月1日金曜23時キックオフ。テレ朝とNHK BS1で生中継です。今後の日本サッカー界の飛躍のためにも、何とか20%台はほしいところです。サッカー好きは是非、テレビ越しに応援しましょう!
2019/02/04追記 2019決勝戦の視聴率が出たので追記しました
負けはしましたが、視聴率は何とか20%確保しました。前半折り返し時点で0-2、深夜0時過ぎてきて、睡魔との戦いに負けて途中離脱する人もいた中、それなりに健闘した数字ではないかなと。
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