【書評】イスラム国に関するKindle本を3冊読んで比較してみた。お勧めはこれだ!

ここ最近、イスラム国に関する報道が多くなってきたこともあり、イスラム国についてちゃんとした知識を得たいと考えている人が非常に増えていると思います。

僕も例外に漏れず、アジアカップから帰国して諸々のニュースにおいて浦島太郎状態になっていたので、Kindleで購入できるイスラム国に関する新書を3冊大人買いして、一気に読んでみました。折角なのでその3冊を比較する書評ブログを書いておきます。

書店に行ってみたけど、色んな本が並んでいてどれを買っていいかわからない!とお悩みの方は是非参考にしてみてください。
イスラム国に関するKindle本

中級者向けのイスラーム国の衝撃

タイトル:イスラーム国の衝撃
Kindle発売日:2015/01/28
出版社:文秋新書
著者:池内恵

上記3冊の中で一番売れているのは、この本のようです。アマゾンのKindleランキングも2015年2月24日16時現在40位で、3冊の中で1番上です。僕もツイッターのフォロワーさんから勧められて、この本を最初に買ったのですが、正直な感想を言うと「読み辛い」です。

読み辛い理由はとにかく学術的な文章が並んでいるから。

それなりに知識がある人が読めばすっと入ってくるんでしょうが、僕みたいな素人には非常に難解な文章でした。

例えば、始まってすぐ「グローバル・ジハード運動」という単語が出てきますが、それがどういった意味を成すのか端的に説明したりしません。ジハードのところに(聖戦)という但し書きがあるのみ。他にも中東の歴史を振り返る章では、知らない地名や人物の固有名詞がどんどん出てきて、補足説明があまりないので結構混乱します。

ということで、この本は初心者が1冊目に読む本ではなく、ある程度イスラム国に関する知識を蓄えてから2冊目、3冊目に読むべき本、というのが僕なりの評価です。

そんな難しい文章の中でも、僕が非常に興味を持ったのは、2005年にイスラム国が出した「2020年構想」というもの。この構想、2015年の現在までそのシナリオ通りにほぼ来ているから、末恐ろしいです。この章を読んでいる時はちょっと寒気がしました。

イスラム国に関して基本的知識はある方と自負している人は是非。

初心者向けのイスラム国の正体

タイトル:イスラム国の正体
Kindle発売日:2015/01/28
出版社:朝日新聞出版
著者:国枝昌樹

※イスラム国の正体という新書は2冊あるんですが、もうひとつのベスト新書の方はKindle版が出てないのでスルーしました。

この本の著者は、エジプト、イラク、ヨルダン、シリアなどの大使館で書記官、参事官、大使などを務めてきた外交官です。

図表や写真を多用し、平易な文章で初歩的な単語への補足説明も多いので、初心者向けの本と言えます。

「イスラム国に参加する外国人の推計グラフの引用」は非常に興味深かったし、イスラム国の広報がワールドカップ期間中に#wc2014のタグを付けて演説映像を呟いていた件を説明する部分は、自分にとってドストライクなトピックで唸りました。

ただ、物書きの視点からこの本を評価すると(僕は本を3冊出版しています)、「この詳細については第◯章で説明します」という但し書きが多過ぎて、ちょっと萎えました(文章の好みの問題かもしれませんが)。複雑なテーマを語る際にトピックが多面的になるのは重々承知してますが、それをうまく流れるようなストーリーにまとめるのが編集担当の役目なのに、朝日新聞出版の編集者はその部分もっと何とかならなかったのかと感じました(僕も朝日新聞出版から本を出しているので、敢えての辛口です)。

この本、Kindle版が2015年2月24日16時現在、34%オフで540円になっているので、とにかく安い本を買いたいという人は是非どうぞ(Kindleの割引は結構日によって変わるので、これを読んだ時に割引率変わってたらごめんなさい)。

最も読み易いイスラム国の野望

タイトル:イスラム国の野望
Kindle発売日:2015/02/13
出版社:幻冬舎
著者:高橋和夫

あとがきに書いてますが、「わかりやすく、もっとわかりやすく、さらにもっとわかりやすく」をモットーとして書いたそうです。

スンニ派とシーア派の違いという基本的なところから解説して、各国のその割合を円グラフを使って説明して、イスラムに関しての知識に超初心者の人でもすっと文章が入ってきます。ジハードについても本来の意味はこうで、そこからこういう解釈があって、「聖戦」という理解が浸透した、という説明がされるので理解がし易いです。

初心者向けという点では2つ目のイスラム国の正体と同じですが、この本の特長はウィットに富んでいるところです。

文章の引用をすると、「イラン人にとってアラブ人はラクダよりはちょっとマシくらいの存在」とか、「地名◯◯と地名△△は六本木と埼玉くらい意味合いが違う」とか、「90年代に中東の紛争に参戦してきた過激派の人が社会復帰を果たそうとした場合、就職面接でワープロは打てますか?と聞かれても、返せる答えはバズーカ砲なら撃てます、となる」とか、とにかくユーモアたっぷりの文章がそこらに散りばめられているので、読んでて飽きません。

例え話においても、シリアの内戦をマトリョーシカに喩えたり、「日本で言えば天皇がカリフ、征夷大将軍がスルタン」と置き換えたり、理解の助けとなる比喩が豊富です。

普段読み慣れていない他国の歴史や文化に関する書籍の場合、堅苦しい文章だと途中で読み疲れて読了せずに終わるパターンも多いと思います。その点この書籍は、ユーモア溢れる喩えや具体例が潤滑油の役割を果たして、サクサク読めちゃいます。

ということで、初心者向けで最もお勧めな本はこれです!

まとめ

総括すると、以下のようになります。

書籍の具体的内容については、敢えて言及を避けた形で書評を書いたつもりです。内容のサマリーや目次を知りたい方は各アマゾンのリンク先を参照してください。

Kindleって何?という人に補足説明

最後に。Kindleを使ったことがない人に説明しておきます。

Kindleとはアマゾンが出している電子書籍サービスの総称です。楽天のkoboやアップルのiBookが競合ですが、僕は将来性を考えてKindle一択でずっと使っています。

Kindle割引がされるケースが多いし、海外旅行中に読みたい本が読めるし、かさばらないし、とにかく今まで読んだ書籍が1つの端末に集約されている効率さ加減は半端ないです。

Kindleはスマホでも読めます。アプリストアでKindleと検索すれば、無料でアプリを落とせます。ただ、スマホで長時間読書は結構疲れるので、電子書籍ライフをじっくり楽しみたいならタブレット端末の購入を強く勧めます。

iPadやNexus7などの高性能なタブレットもいいですが、長時間読書する人にとっては端末が重すぎて苦労すると思います。僕の持ってるKindle Fire HDの7inch版でも、1時間以上手に持って読書すると、腕が疲れます。

それで僕がお勧めするのは、Kindle Paperwhiteです。1万円ちょっとで買えます。一番安いKindleはバックライトがなく、暗いところで読めないのがネックなので、あまりお勧めしません。

紙の本を買っては本棚に並べていくのもいいですが、コンテンツをクラウドで管理していくやり方は読書の領域においてもトレンドになっています。これを機会に電子書籍ライフを始めてみてはいかがでしょうか?

以上、こんなクソ長い文章、最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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村上アシシ

1977年札幌生まれ。職業は経営コンサルタント・著述家。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。南アW杯出場32カ国を歴訪した世界一蹴の旅を2010年に完遂。サッカー日本代表を追いかけて世界中を旅してます。Jリーグではコンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。詳細のプロフィールはこちら

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