【書評】コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画 冨山和彦著

JAL再生タスクフォースにも参画した、元・産業再生機構トップの冨山和彦氏が1週間で書き上げた「コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画」を読み終わったので、書評を書きます。

今まで数多くの企業再生に携わってきた著者が、今回のコロナショックに対する向き合い方を伝授する書籍です。

4章構成で、特に第1章と第2章は必読ですね。

第1章では、コロナショックが3つの波に分かれて、経済にダメージを与えてくるメカニズムについて解説しています。

第2章は、企業や個人がこのコロナショックを生き延びるためにどうすればいいか、具体的なノウハウが書かれています。

企業再生請負人として数々の修羅場をくぐり抜けてきた筆者だからこそ語れる生々しい実話がセットで描写されているので、とにかく説得力があります。

逆に第3章と第4章は結構「経営者」向けの話に特化した感があるので(かつ結構込み入った話になる)、一般人はさらっと読み流してもいいかなと。

文章の長さも、緊急出版の都合もあってか、通常の書籍の半分くらいなので、サクッと読めます。

中小企業の経営者やマネジメントに関わるビジネスパーソンは必読です。サラリーマンでもこの未曽有の事態をどう生き抜くべきか、洞察したい人は読んだ方がいいです。

紙の本は5月9日発売で、その前に電子書籍が先行販売されているので、ぽちっとな↓

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印象に残った文章をまとめてみる

ここからはネタバレになるので、書籍をこれから読む人は読まない方がいいです。購入を迷っている方は、さらっとまとめを読んでみて、購入の判断材料に使ってみてください。

  • 今、過去の危機の歴史から学ぶことは極めて重要。「歴史から学ぶ」とは「歴史から想像する」と言い換えられる
  • 経済危機における生死の分かれ目は現預金の潤沢さ、これに尽きる。使えるものは親でも国でも何でも使え。古今東西、絶対の経営格言は「Cash is king!」である
  • 古来より戦時は独裁である。緊急事態に空気を読んで衆議を尽くすトップは不要。コンセンサスなんてクソくらえだ。間違いに気付いたら恥も外聞も気にせず朝令暮改すべし
  • 経営危機における正義は事業をどんな形であれサバイバルさせること。そのために手段に聖域を作ってはならない
  • 危機を乗り越えるには、悲観的・合理的に考えて準備し、楽観的・情熱的に敢然なるアクションをおこす姿勢が重要
  • 勤めている会社が再生状態に陥ったならば、ぎりぎりまで会社に残って修羅場経験することを勧める
  • 他人が言うことは、ここに書いてある文章を含めて、あくまで判断材料の一部にすべき。最後に決めるのは自分自身であるべき

こういう尖ったメッセージがバンバン出てきて、何故ならば、の土台となるファクトベースのエピソードが豊富です。「コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画」、興味を持った人は是非。

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