小野伸二「GIFTED」読了 ブックライターに嫉妬する程の良書でした

12月3日に引退試合を迎える小野伸二著「GIFTED」を読了しました。

ちなみに引退試合「札幌対浦和」はNHK総合で全国生中継です。日曜14時キックオフ。

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伏線の張り方が絶妙なストーリー

著名人が出版する自伝ってのは、ほとんどが本人は書いていません。物書きのプロであるブックライターが取材して、本人が喋った内容にしっかり起承転結つけて書き起こす形で出版されます。

今回のこの書籍、ブックライターに嫉妬してしまうくらい、伏線の張り方が絶妙でした。1章1章の入り方が、敢えて主語とか省略してインパクトある発言から来る形を採用してて、引き込まれました。

本人しか知りえないエピソードをふんだんに使って、それらの伏線をあとで巧妙に回収する。同業として、このブックライターの人にインタビュー設計の仕方とか普通に聞いてみたいです。勉強したいw

印象に残ったエピソード

稀代の天才がどのようにして生まれてきたのか、幼少期からの過程が生々しく描かれています。

高校卒業時になぜ地元のエスパルスではなく、浦和レッズを選んだのか、その理由も書かれているので、浦和サポーターも読んだ方がいいです。

ドイツワールドカップの敗戦で戦犯扱いされた過去についても、実直に語っているので日本代表サポーターも必読です。

以下は若干ネタバレになる読書感想文なので、これから読もうと思っている方は読了してから以下をお読みください。

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若干ネタバレな読書感想文

・18歳。当時はJクラブとの契約金が手渡しで、分厚い1万円札の束を1枚1枚数えたエピソードは目からうろこ。
・1998年フランスワールドカップの第2戦のクロアチア戦、後半に監督から声がかかったが、靴紐を緩めていたことを理由に交替させてもらえなかったエピソードは、たしかに理不尽すぎるw
・その後のサッカー人生を変えた19歳での大怪我の理由を「自分のせいだ」と語る部分は、伸二らしいなと感じました。
・フェイエノールト時代にブログを書いていたこと、知りませんでした。。彼ほどの人間でも、糞リプ対応に頭を悩ませた経験があるんだなと。
・2006年ドイツワールドカップ、カイザースラウテルンの悲劇の裏側が知れたのは良かった。ジーコが週刊誌で語った「腐ったみかん」発言に対しても、結構ストレートに「がっかりした」と感想を述べているのにびっくり。
・「おわりに」の章で母親の死が語られて、最後の最後に団地1階のべランダに並ぶ子ども10人分の洗濯物エピソードの伏線が回収される展開、もう堪えるの無理でした。自然と涙がこぼれました。

ここまで赤裸々に語る自伝も、そうそうないなと感じた次第です。この書籍を酒の肴にして、サッカー好きの知人と飲みに行きたい気分ですw

今週末の引退試合は札幌に帰省できませんが、DAZNかNHKの中継を見ながら、彼の最後のプレーをしかと見届けたいと思います!

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