AKB48から日本サッカー界が学ぶべき3つのこと

公開日: : 書籍

僕自身、AKB48のファンというわけではありません。

先日ISSAお泊まり報道が出て、AKB48を辞退した増田有華という人は、そのニュースが出るまで存在すら知りませんでした。総選挙のテレビ中継なんて見たことないし、AKBの中で顔と名前が一致する人は、7~8人といったレベルです。

世間一般的にはマジョリティの部類に入るであろう、AKB知識がそんなレベル感の僕でも、この「AKB48白熱論争」という書籍は、とても興味深く読むことができました。

帯メッセージはこんな感じ。

人はみな、誰かを推すために生きている。――なぜAKB48だけが、売れ続けるのか?

「推す」という行為はサッカーのサポーターの心理に近いものがあります。サッカー日本代表サポーターとして布教活動に勤しむ僕にとって、こういった観点は非常に大きなヒントになると思い、この書籍を手に取ってみました。

書籍の内容は、いい歳したおっさん達4人が対談形式で、社会学や宗教の観点からクソ真面目にこの社会現象とも言える現代のAKBブームの真相をえぐっています。AKBの総選挙を引き合いに出して、日本の総選挙の制度をdisったりもしてます。師走に控えた衆議院の解散総選挙の前に読んでおくといいかも?

読了後、AKBのメカニズム(秋元康のメディア戦略、総選挙の仕組み、オタク達の心理など)を網羅的に知ることができて、僕的には満足。これからはちょっとAKBについて「知ったか」できるレベルまでキャッチアップできたかなと。

で、僕が最も興味を惹かれたのは、AKBを宗教と絡めて論じた部分。2箇所ほど引用します。

212p 濱野智史:
AKBみたいな劇場を他の国に作っていけば、資本主義社会/自由恋愛社会では負け組になってしまうモテない若い男子がどんどん救済されていく。AKBの仕組みには何も神秘的なところはなくて、ただ劇場で間近に見られたり握手できたりするだけの、あまりにもシンプルなものです。しかも資本主義と結託して、とことん恋愛弱者のオタクから搾取しているだけのビジネスに見える。でも、その裏側では確実に負け組の救済にもなっている。文字どおりの生きる意味を与えていると思う。これは本当に面白いと思います。だからこれは新しいキリスト教やイスラム教みたいな「世界宗教」になり得るんじゃないか。

256p 宇野常寛:
言ってみれば「サリンを撒かないオウム」が消費社会に大量発生することが、90年代的な問題を自動的に解決したのだ。それぞれが、それぞれの信じる神様を勝手に信じている状態が維持されることで、この問題は少なくとも当時危惧されていたレベルでの悪化を見せることはなかった。その神々は、二次元のキャラクターだったり動画投稿サイトでもてはやされる小さなカリスマだったりする。そしてその究極系のひとつとして、きわめて大規模かつ長期の文化運動に成長したもの――それがAKB48なのではないだろうか。

サッカーもある意味、欧州や南米では何十年も前から、「世界宗教」的位置付けにある、と言ってもいいと僕は思っています(ここら辺は先月出版した「日本代表サポーターを100倍楽しむ方法」に詳しく書いてます)。

しかし、100年以上の歴史を誇る欧州や南米と比べると、日本におけるサッカーは、まだJリーグが発足して20年。「新興宗教」的位置付けです。

代表の試合は見るけど、Jリーグは興味ないというミーハーサポを「信者」として迎え入れ、娯楽が過剰供給の状態にある日本において、サッカーというエンターテイメントが確固たる「世界宗教」のポジションに成り上がるためには、その布教活動でもうひとパンチ、もうひと工夫が必要のように思います。

そのひと工夫とは何か?そのヒントがAKB48の仕組みにあるのではないかと。

僕が考える「工夫」は大きく分けて以下の3つです。

1. 顧客への訴求ポイントを工夫する

例えば、AKBにエロ要素がふんだんと出ているのを模倣し、イケメンJリーガーをジャニーズのような見せ方をして、女性客を増やす露骨なやり方も、僕はありだと思ってます。当然、見てもらうのは「サッカー」なのですが、きっかけが「この選手、カッコいい」から入ってくるのも、ありなんじゃないかと。実際サッカー日本代表のライト層は、ほぼそれです。

それ以外にも、秋元康特有のマーケティング戦略は、Jリーグの各クラブの広報担当も大いに学べる部分があると思います。詳細は上記書籍に譲りますが、要は「見せ方」に更なる工夫が必要なんではないかと。

2. 選手とサポーターとの距離感を縮める

AKBの何が凄いって、「会えるアイドル」として、握手会への参加権利をCDを購入することで買えること。俗にAKB商法と言われてますが、僕はこの金儲けの仕組みよりも、アイドルとファンとの距離感に興味を持っています。

Jのクラブもファン感などのイベントで、サポーターと交流する機会はあるし、クラブ会員特典で、握手会以上の交流ができるイベントを用意しているクラブもあります。

でも、僕はもっとそういった参加イベントの敷居を下げて、開催頻度も上げて、なおかつ選手との距離感が更に縮まるような関係を持てる土台ができれば、もっともっとJリーグに興味を持ってくれる人が増えるんでないかと思ってます。

3. 「見返り」のある仕組みを作る

サッカーのコアサポーターは「無償の愛」を原動力として、そのクラブを一生応援していく気概を持っている人が多いです。でもそれはほんの一部。大多数を占めるライト層を取り込むには、ある程度「有償なもの」、つまり「見返り」が必要なんじゃないかと。

AKBの場合は、投票権のついたCDを買うだけ買って、推しメンに投票すれば、目に見える形でその推しメンが上位に来る。応援すればするほど、金を費やせば費やすほど、成果が出る。つまり、「見返り」がある。

資本主義の悪用といえばそれまでですが、ここまで露骨にやれば、それにハマる者が出現して、ひとつのブームになるのがAKBで立証されたわけで、このファン投票の仕組みをカスタマイズして、良識の範囲内でサッカー界にもうまく適用できないものかと僕は考えます。

とまあ、連々と改善案を書いてきましたが、フィージビリティとか無視して書いてますw

左のアシシ本では、「日本代表人気をJリーグに還元する方法」をサポーター視点で具体的に語りました。

が、Jを盛り上げるための、仕組み作りの観点でのHow toは一切触れてなかったので、AKB本を読んだついでに、思うがままにこのブログで書き殴ってみました。

それぞれの立場で、色々と反論はあると思います。ブログのコメントなり、ツイッターで反論リプください。もしくは具体的ソリューションを提示して頂ければ、より議論は白熱するかなと。

ご意見、お待ちしています。よろしくお願いします。m(_ _)m

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村上アシシ
村上アシシ

1977年札幌生まれ。職業は経営コンサルタント・著述家。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。南アW杯出場32カ国を歴訪した世界一蹴の旅を2010年に完遂。サッカー日本代表を追いかけて世界中を旅してます。Jリーグではコンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。詳細のプロフィールはこちら

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