フクモリ餃子効果で売上が1.5倍に! Jクラブのスポンサーは白狼軒の成功例を参考にせよ

札幌市の琴似に白狼軒という中華料理屋があります。

このお店、約1年前に北海道ローカルのテレビ情報番組で、試作した赤黒の餃子をコンサドーレの野々村社長に提供し、社長公認で「フクモリ餃子」とネーミングしてもらって以降、札幌サポの間で爆発的な人気となり、今やコンサドーレサポーターの新たな「聖地」みたいな扱いにまでなっているお店なんです(詳細はこちら)。

ちなみに「フクモリ餃子」の由来は、コンサドーレ所属の福森晃斗選手がこのお店の常連だからです。

で、先日帰省した時に白狼軒寄って、「ぶっちゃけフクモリ餃子効果で売上どんだけ伸びたんですか?」と聞いたら、「月商は平均して1.5倍になった」とのこと。

店長の杉ちゃん:「今まではラーメンだったらラーメン1品、チャーハンだったらチャーハン1品だけ注文するお客さんが多かったんですが、フクモリ餃子を出してからは、ラーメンとフクモリ餃子、チャーハンとフクモリ餃子、といった形で追加で一品注文してくれるお客さんが圧倒的に増えたおかげで、客単価が一気に上がったんですよ」

名物をメインの商品ではなく、サイドメニューにしたことが売上増に直結したという分析。たしかにメインの商品に人気が出たとしても、その商品の単価を上げない限り「客単価」を上げるのは難しいわけで、結果論だとは思いますが、サイドメニューに名物を作るってのは、外食屋さんが売上を伸ばすための鉄則なのかもしれません。

人気の火付け役は間違いなくテレビ番組なんですが、去年1年間通して50%の売上増をなだらかに継続できた理由は、経営コンサル的に分析すると、以下の3点かなと。

赤と黒のビビットな配色がインスタ映えしたため

食べ物の配色として赤と黒が並ぶのは意外性があって、多くのお客さんがスマホで写真撮って、SNSに上げてくれるそうです。

やはりお客さんがSNSで商品を拡散してくれるのは口コミ効果が非常に高いですし、写真がここまでインパクトあると、興味湧きますよね。

白狼軒がコンサドーレのサポートシップパートナーに加盟したため

白狼軒はコンサドーレに「ただ乗り」したわけではなく、テレビ番組出演後にコンサドーレのサポートシップパートナーに加盟しました。

札幌サポは特に「顧客ロイヤルティ」が高いことで有名で、「我が愛する地方クラブに協賛してくれる企業の商品は積極的に買う!」と意気込むサポーターが多いんです(例えばイスラム教徒が豚肉を食べないように、スポンサーのサッポロビール以外のビールは宗教上の理由により飲めないという硬派なサポーターもいますw)。

白狼軒がコンサドーレに協賛したことが、札幌サポーターが継続して白狼軒に通う「理由付け」になったと僕は分析します。

たった年間5万円の協賛で、月商が1.5倍になるんだったら、費用対効果は抜群かと。今季はもっとスポンサーの「格」を上げてくれることでしょう!

単純に商品のクオリティが高いため。ズバリ美味しい!

複数の副次的要因はあるにせよ、やっぱりその名物となる商品そのものが美味しくないと、そんな爆発的なヒットは生まれません。僕も去年5回くらい白狼軒行ってフクモリ餃子食べましたが、マジでクオリティ高いです。

黒い方は皮に食用の竹炭が練り込んであって、中の具にはジャガイモとチーズとチャーシューが入ってます。赤い方は皮に唐辛子と食紅が練り込んであって、中の具にはセロリと牛肉と山椒と一味が入っています。そこらの餃子とはワケが違うんです。

焼いてるところを撮らせてもらいました。

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他のクラブのスポンサーも大いに参考にできる

このサクセスストーリーは、J1からJ3まで57個あるJクラブに協賛するスポンサーで、地域に根差したB2Cのビジネスをしている中小企業全てに参考になるんではないかと思っています。

クラブに協賛している企業が、インスタ映えするクオリティ高い商品(クラブカラーであれば尚良し)を開発し、それがサポーター間でバズるような工夫をすれば、協賛金以上のリターンが得られるはずです。

全国に点在する中小企業はひとつのヒントとして参考にしてほしいです。

白狼軒の食べログはこちら

2019年3月追記
白狼軒は休業となり、フクモリ餃子を受け継いだ「つつみ人」がオープンしました!

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最後に告知。

先日5冊目の書籍を出版しました。

村上アシシのプロフィールはこちら



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