清水相手に札幌が何故無双できたのか? 戦術的な要素を平易な文章で解説してみた

前節浦和戦でもDAZN90分見返して、完勝した内容を振り返りましたが、今節の札幌5-2清水もDAZNで90分見返してみました。

90分見れないよって人は、コンサドーレ広報作成のハイライト(4分)で。

スポナビに上がってるハイライトは7分。

この試合、結果的には5-2と大差がつきましたが、前半45分終了時点では札幌2-1清水。チャンスの量としてはそこまで差はありませんでした。

それがハーフタイムを境に、形勢は一気に札幌優勢に。後半4分、20分、24分と立て続けにアンロペがぶち込んだ時間帯、決定機は得点機会の倍、6回くらいありました。もう清水の選手はピンチを迎えるたびにうなだれたり、茫然としたり、とにかく「混乱」していました。

90分見れないって人は、後半頭から25分間だけでも見てみてください。この25分間、札幌が清水をひたすら「蹂躙」してます。

なぜこんなことが起きたのか?

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肝はミシャのハーフタイムにおける「戦術変更」にあると筆者は考えます。

前半は攻撃時3-4-2-1。守備の陣形が特殊で、チャナティップが右ボランチの河井に、武蔵が右CBの立田にマンツーマンでついて、右のエウシーニョ側にパスを出させない形を取ってました。更にボランチの荒野が前線までプレスに行く形で、とにかく今まで見たことのない「変則守備陣形」を取っていたんです。

じゃーこれがハマっていたかというとそうではなくて、清水も右がダメなら左からと、左CBファンソッコから組み立て、左SBの松原を起点にして、左からガンガン攻める形。CKでの清水の得点も、左からの崩しから得たFKのこぼれがタッチラインを割った形でした。

前半は両者が良い面を出して、打ち合いの様相を呈していました。

そんな中、2-1のスコアで折り返したハーフタイム。

DAZN解説の岩政氏は「清水のヨンソン監督はロッカールームでマンツーマンディフェンスに対する対策を選手に色々と講じたはず」と話しましたが、ミシャはなんと後半頭から守備の布陣をいつもの5-2-3に戻し、前線の3人をそこまでプレスバックさせずに前線に残す戦術を取ってきたんです。

岩政氏曰く「ミシャの凄いところは、前半にああいった変則布陣にしておいて、後半頭からオーソドックスな布陣に戻したことで、清水のヨンソン監督のハーフタイムに講じた対策を無にしたこと」を挙げてました。この解説はすごく納得しました。

つまり、前半に「罠」を仕掛けておいて、その罠に対する対策を講じてきた相手をあざ笑うかのように、後半頭からその対策を無にする新たな罠を仕掛け、得点を量産したミシャ札幌。

清水DFが失点するたびに「話と違うんですけど・・・」と呆然とするシーンが多かったのはそれが原因かと。

アンロペの4点にフォーカスが当たりがちですが、戦術面で見ると、前半と後半でこんなに流れが変わるもんなのかと唸る試合展開でした。

以下、DAZN見ながらメモした、試合経過時間ごとの評価です。興味のある方はお読みください。これ読むと、影のMVPはCB宮澤裕樹ですね。とにかく宮澤が起点となる攻撃が多過ぎるw

前半19分

【得点シーン】GKクソンユンがキックフェイントでFW北川のスライディングを交わし、深井→宮澤→荒野→深井→福森→宮澤→武蔵へのスルーパスでワンタッチで相手DFを抜き切って逆サイドネットに利き足じゃない左足で流し込んで先制。武蔵、今季3点目。全部左足。

このシーンはチャナティップの左サイドのフリーランで相手CB立田が武蔵へのマークが緩くなったのがデカい。

前半24分

CB宮澤のインターセプトからそのまま持ち上がって、左に流れてクロス上げて武蔵のボレーが枠外。これも宮澤無双のシーン。

前半25分

チャナティップ起点から右のルーカスに出して、ルーカスが切り返しで逆をついてタッチライン際をドリブルしてアーリークロス上げて武蔵胸トラップが大きくなって相手DFに阻まれたシーン。これもルーカスのひとり剥がせる個人技がデカい。

前半29分

【決定機】アンロペから豪快なサイドチェンジにチャナティップが左サイドを抜け出してクロス。相手DFとGKのお見合いで荒野の足元にボールが流れてくるも、荒野も相手が触ると見越して飛び込んできてて、うまくミートできず。。こんな棚ぼたチャンスも不意にするなんて、荒野がJ1でゴールできる日はいつになるのだろうか。。

前半33分

チャナティップのサイドチェンジにルーカスが右からドリブルして、意表を突くアーリーあげるも武蔵は反応できず。惜しいシーン。ルーカスの間合いヤバい。今日は1対1で仕掛けたシーン、ほぼ全勝w

前半36分

【失点シーン】清水CKから松原にヘディングシュートを決められて同点。アンロペの怠慢守備w

前半42分

荒野のGKまでのプレッシングが功を奏して、アンロペがパスカットして、ビッグチャンスも決め切れず。最後は菅のミドルが相手に当たってCK。荒野の運動量が活きた格好。

前半45分

清水の中盤のリスタートで、武蔵とチャナティップのマンマークにつけず、前半初めてCB経由で右サイドに展開したんじゃないかな?

ここでエウシーニョに入ったところを福森が猛烈プレスに行って奪取、左サイドで武蔵が拾って、ゴリゴリドリブル開始。プレスバックにきたエウシーニョをなぎ倒してペナルティエリアに侵入。跨ぎフェイントで立田の裏をかいて、ファールをもらってPKゲット。

前半47分

【得点シーン】武蔵がもらったPKにおいて、アンロペがPKキッカーを譲ってもらって、武蔵は苦笑い。アンロペは助走でワンテンポ遅らせる技術を見せて(モーションを完全に止めると笛鳴るけど、ギリギリのフェイクを入れて)、相手GKを倒してから逆に蹴る高度な技術を見せてゴール。札幌2-1

後半1分

宮澤のインターセプトからアンロペに鋭い縦パスが入って、アンロペがそのままドリブルで持ち上がって豪快ミドルも枠外。これも宮澤の存在感が際立つ。

後半4分

【得点シーン】これまた宮澤が起点。ダイナミックなサイドチェンジでルーカスにパスして、ルーカスがドリブルで切り込んでクロス、チャナティップが触って、こぼれ球をアンロペが決めて3-1。アンロペは看板飛び越えて2m下のコンクリート地面に落下するも怪我は無し。

後半11分

【決定機】アンロペのサイドチェンジが起点で、左サイドの菅→福森と繋いで2対1を作って、福森クロス、武蔵ポストで落としてチャナティップトーキックシュートも枠外。超絶決定機。

後半13分

【決定機】中盤で深井のインターセプトから荒野→武蔵と繋いで、武蔵がドリブルで運んでチャナティップにラストパス、チャナティップがインハイにズトンと決めるもオフサイド判定。これも超絶決定機。リプレイ見るとオンサイドにも見えたんだけど。。

後半14分

なんかリプレイ流れてて、中継戻ったらまた大チャンスでアンロペシュートも枠外。もうこの時間帯、秒刻みに決定機きてヤバいwww

後半15分

清水の中村のミドルを札幌GKクソンユン、ビッグセーブ

後半20分

【得点シーン】アンロペ、ハットトリック達成。またしても起点は宮澤のインターセプト、迷わずフリーのアンロペへダイレクトパス。アンロペは40-50mくらい独走でドリブルで運び、右で打つとみせかけてキックフェイントで相手をはずし、得意の左足でフィニッシュ。スピード&強さ&上手さが凝縮されたスーパーゴール。

後半24分

【得点シーン】進藤のインターセプトがダイレクトに中盤フリーのチャナティップに渡り、チャナティップがドリブルを開始、4人に囲まれながらも右でフリーのアンロペにラストパス。アンロペは今度キックフェイント入れずに利き足じゃない右足で冷静にインハイをぶち抜くゴール。対峙したファンソッコもひとつ前の切り返しがあったので飛び込めず。アンロペ4点目。札幌5-1清水

後半29分

荒野が危険なエリアでボールロストして石毛にミドルを打たれる。ここら辺から荒野がちょっと集中力を切らす。

後半30分

清水はエウシーニョ→二見の交替で、3バックに変更。ここから数的有利に札幌が攻め込むシーンが減る。何で清水の監督は4点差付くまで動かなかったんだw

後半32分

即座に札幌はジェイとキムミンテを投入。相手のシステムが変わったことに対して、ジェイへのロングボールで対応できるオプションを用意したミシャは素晴らしい、という岩政氏の解説に納得。

後半33分

札幌、CKから宮澤ボレーも枠外。これも結構なチャンス。

後半38分

【失点シーン】荒野の安易なボールロストから滝に決められて5-2。荒野は大味の試合になるとちょっと気を抜く。ミシャからきっと試合後にカミナリ落ちたでしょうこれ。

後半AT

46分あたりからひたすら札幌の選手がボール回しをして、清水の選手も全然ボールを獲れず、ラスト180秒ずっと札幌が「鳥かご」やって終了。そりゃ清水サポも呆れますねこれ。。

試合の写真をふんだんに使った現地レポートはこちら↓

最後に告知。


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村上アシシ
村上アシシ

1977年札幌生まれ。職業は経営コンサルタント・著述家。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。南アW杯出場32カ国を歴訪した世界一蹴の旅を2010年に完遂。サッカー日本代表を追いかけて世界中を旅してます。Jリーグではコンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。詳細のプロフィールはこちら

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